ブルーブラック2
どうしてこんなにも欲しい言葉を言ってくれる人なんだろう。
百合香はぽたりぽたりと流れ落ちる雫を耐えることが出来ないでいた。
視界に滲んで映る愛しい人。
自分をいつでも優先し、無償の愛情を注いでくれる、かけがえのない人。
「百合香。だから、俺にも教えてくれないか···病院でのこと」
ゆっくりと穏やかな口調で智は百合香にそう言った。
百合香は未だ止まらない涙を片手で軽く拭いながら小さく、でもはっきりと頷いた。
渇いた喉で震える声を途切れ途切れに繋いでいく。
「ごめん、なさい···。一人で何も言わずに···私···」
「うん」
「···とりあえず簡単な検査だけを···してきました」