ブルーブラック2
第六章
1.フェア最終日
*
心の膿を全て出した百合香はあれだけ頭を悩ませていたのが嘘だったかのように頭の中も心もすっきりとした朝を迎えた。
(よし。今日でフェアは終わり。頑張ろう)
更衣室でキュッと髪を一つに結って売場に降りた。
「お、おはようございます!」
「あ、おはよう」
売場に降りると、社員よりも先に来ていた金山の姿に驚いて駆け寄った。
「金山さん!すみません、私の方が遅くなるなんて···!」
「いや。それでも充分早い出社だろう?他に誰もいないんだから」
確かに2階には他に人影がなく、実際ここに来るまでに挨拶を交わしたのは清掃のおばさんと、智が事務所にいた位だった。
「あれ。その万年筆―――」
心の膿を全て出した百合香はあれだけ頭を悩ませていたのが嘘だったかのように頭の中も心もすっきりとした朝を迎えた。
(よし。今日でフェアは終わり。頑張ろう)
更衣室でキュッと髪を一つに結って売場に降りた。
「お、おはようございます!」
「あ、おはよう」
売場に降りると、社員よりも先に来ていた金山の姿に驚いて駆け寄った。
「金山さん!すみません、私の方が遅くなるなんて···!」
「いや。それでも充分早い出社だろう?他に誰もいないんだから」
確かに2階には他に人影がなく、実際ここに来るまでに挨拶を交わしたのは清掃のおばさんと、智が事務所にいた位だった。
「あれ。その万年筆―――」