ブルーブラック2
「おい、オレもここにいるんだけど」
「えっあっ、おはようございます!」
坂谷がじとっとした目つきで隼人にそういうと、隼人は慌てて坂谷に挨拶をした。
「··何?神野さんになんかしたの?」
「いや―――···」
「ああ、そうだ。今ちょうど思い出したんだけど」
坂谷がガラスクリーナーを隼人に手渡しながら言った。
「前に途中だったよな?神野さんの“敵わない旦那”ってヤツ」
「ああ、それなら、もう···」
「え?あ、そう。もうわかった?」
「でも―――···まさか百合お姉さんの相手が―――」
富田と金山の元へと走って行った百合香の後ろ姿を見ながら隼人が漏らした。
「なんか、意外っていうか···」