ブルーブラック２
＊

「お疲れさまでした」


無事に閉店時間を迎えると、フェアの片づけの傍らで金山と美雪と富田が大盛況だったフェアの話で盛り上がっていた。


「神野さん、お疲れ様」
「あ、坂谷さん。ありがとうございます」


長いテーブルに掛けられていた大きいテーブルクロスと格闘していた百合香に手を貸しながら労いの言葉を掛けたのは坂谷。

二人がかりで綺麗に白い布を畳んでいると、坂谷との距離が近くなったときに目が合った。


「あの···？」
「···いや。なんでもないよ」


何か言いたげだったような坂谷に首を傾げていた時にバックヤードにまた一人人影が増えていた。


「ああ、柳瀬くん！」


その声は金山で、百合香の耳にはすぐに届いた。


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