ブルーブラック2

「んんッ··」


お酒が多少入っているからだろうか。
いつもよりも乱暴で激しいキス。

下唇を軽く噛まれたかと思えばすぐに唇を覆われて呼吸が乱れる。

息継ぎをする為に離れようとする度にまた、それを許さないかのように捕えられては口内を侵され続ける。


「さとッ···くるし···っ」


その吐息が混ざる小さな声に智は一度動きを止めた。


「――――百合香が悪い」


一言だけそう言って、また繰り返す。


乱暴だった口づけは次第に優しく愛でるようなキスに変えて―――


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