ブルーブラック2
4.春風と深緑
*
「お疲れ様です」
閉店して、殆どの社員が更衣室に向かった時に時間差で智の前に現れたのは美咲だった。
「・・・お疲れ」
智のデスクに少し近づいてきた美咲に気付いて顔を上げた智は一言そう答えた。
視線を泳がせて手を落ち着かなさそうに自分の胸まである毛先に触れるている美咲を智は目を逸らさずにじっと見て美咲の出方を待っていた。
そして少し息を吸って、決心したように美咲が口を開いた。
「辞めます」
その言葉を聞いた智は微動だにせずに、同じ姿勢のまま何も言わずにただ美咲を黒い瞳で捕えていた。
その視線に負けそうで、一瞬だけ目を合わせただけで再び落ち着かない視点のまま美咲は早口で告げた。
「私には向いてないし」
「お疲れ様です」
閉店して、殆どの社員が更衣室に向かった時に時間差で智の前に現れたのは美咲だった。
「・・・お疲れ」
智のデスクに少し近づいてきた美咲に気付いて顔を上げた智は一言そう答えた。
視線を泳がせて手を落ち着かなさそうに自分の胸まである毛先に触れるている美咲を智は目を逸らさずにじっと見て美咲の出方を待っていた。
そして少し息を吸って、決心したように美咲が口を開いた。
「辞めます」
その言葉を聞いた智は微動だにせずに、同じ姿勢のまま何も言わずにただ美咲を黒い瞳で捕えていた。
その視線に負けそうで、一瞬だけ目を合わせただけで再び落ち着かない視点のまま美咲は早口で告げた。
「私には向いてないし」