ブルーブラック2
「中途半端な気持ちはよくないと思う…きっと何も得ずに終わるから」
百合香に言われて美咲は思う。
自分はいかに今まで半端な人生を送ってきたか。
勉強も半端。
友達づきあいも半端。
好きな人も半端。
自分の気持ちにも、半端―――
出逢って間もない会社の先輩に、ここまで痛いところを突かれることを一体誰が予想しただろう。
研修生として配置されてから一度も崩さなかった美咲の顔が一気に曇った。
根拠のない自信で作っていた顔から、一気にメッキを剥がされたように奥歯を噛んで堪えるような何とも言えない表情を美咲はしていた。
「あ…んなことしたっていうのに、ホント、神野さんて人がいいですよね」
美咲自身分かっていて口に出た。それは負け惜しみだと。