ブルーブラック2

つい乗せられて言ってしまった―――“智のイメージ”であることを。
それと同時に百合香は今の智の言葉をもう一度頭で再生する。


「私・・“も”―――?」


“百合香も”と智は言った。
それは、つまり―――


「俺も、この色は百合香をイメージしてみた」


トンっと人差し指を春風色に置いて百合香を見る。


「これ・・智さんの中の、私?」
「・・・そう」
「こんなに綺麗な色が?」


もう恥ずかしいやら嬉しいやら・・・百合香は自分の今の感情をどんな言葉で現わしていいか分からない位だった。

感動して――といえばいいのか。

そんな百合香の瞳にはじわりと涙が出てきてしまう。
その熱くなった瞳に映る智が微笑んで自分をまた抱きしめてくれる。


そして百合香の耳元でこう囁く―――



「君の為だけに――…」


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