ブルーブラック２

＊

「朱里ちゃん、メリークリスマス！」

「めりーくります！」


江川宅に着いて百合香が朱里にそういうと、たどたどしくも復唱する朱里がすごく愛おしく感じた。


「いらっしゃい、今日イブなのに・・・ごめんなさいね」
「いえ。大勢でいるのも楽しいですし。逆に甘えてしまってすみません」


まどかが後から出迎えて百合香と言葉を交わす。
その奥に既に帰宅していた江川が声を上げた。


「おおー待ってたぞー。飲もうぜ！」
「・・・だから車で来るって言っただろう」


智は朱里以上にはしゃいでるように見える江川に溜め息をついてコートを脱いだ。


「じゃあとりあえず、お仕事お疲れ様！座って座って」
「あ、何か手伝えること・・・」
「もうないない！一緒に食べましょう？」


そうしてダイニングテーブルに５人ついてグラスに飲み物を注ぎ始めた。


「本当に飲まないのか？」
「しつこい」
「百合香ちゃんは？」

「えー・・と、私もお茶にしておきます」