ブルーブラック2
『―――百合香ちゃん?』
「あっ・・・ご、ごめんなさい!私は変わらず―――…」
そう言って百合香は目の前のカレンダー見上げた。
(―――あれ?)
そうして百合香はまた途中で口を噤んだ。
『気になることっていうのはね・・・』
まどかの話も半分に、百合香はカレンダーを凝視して考える。
(私、次いつ予定日だったっけ・・・?)
『イブの日に帰り際、朱里が百合香ちゃんに向かって言ってたことなんだけど』
「え?」
『覚えてない?“おなまえは?”って聞いてたの』
それは百合香もまだ覚えていた。つい先週の話だったから。
そして、そんなまどかの話とカレンダーを見ての自分の中の疑問とが頭の中で次第に繋がってくる。
『朱里、一昨日私にもそう聞いてきたの。“おなまえは?”って』
「お、おととい・・・?」
百合香がある期待を胸に、震える声で聞き返す。
『―――そう。私を指さして』