ブルーブラック2
番外編
#4 二人最後のイブ
*
「楽しかったですね」
百合香は満面の笑みでブーツを脱ぐと、先に家に入った智の背中に言った。
「…まぁね」
その百合香の言葉に対して、智は静かに笑いながら答えてソファに腰を掛けた。
「…怒ってるんですか?」
「いや。俺も楽しかったから。でも―――」
智はグイッと近くに立つ百合香の手を引くと自分の中におさめた。
「ここでこうして休めるのが一番かな」
百合香は自分が立っている状態だと、いつもは見上げる智の顔を見下ろす形になるのがなんだか可愛く感じて照れながら笑ってしまう。
ぎこちない手付きで智の髪を梳く。
そんな百合香の手が気持ちよくて智は暫く百合香に寄りかかったままでいた。
「でも、百合香の方が疲れてるか」
「え?私は別に…」
ふっと智は百合香から離れて顔を上げると、笑顔を向けた。
「この時期はギフトで忙しかっただろう?お疲れ様」
そんな優しい言葉とその笑顔で細めた瞳だけで疲れなんか吹き飛んでしまう。
百合香は寒空に出た時のように頬をほんのり赤らめた。
「楽しかったですね」
百合香は満面の笑みでブーツを脱ぐと、先に家に入った智の背中に言った。
「…まぁね」
その百合香の言葉に対して、智は静かに笑いながら答えてソファに腰を掛けた。
「…怒ってるんですか?」
「いや。俺も楽しかったから。でも―――」
智はグイッと近くに立つ百合香の手を引くと自分の中におさめた。
「ここでこうして休めるのが一番かな」
百合香は自分が立っている状態だと、いつもは見上げる智の顔を見下ろす形になるのがなんだか可愛く感じて照れながら笑ってしまう。
ぎこちない手付きで智の髪を梳く。
そんな百合香の手が気持ちよくて智は暫く百合香に寄りかかったままでいた。
「でも、百合香の方が疲れてるか」
「え?私は別に…」
ふっと智は百合香から離れて顔を上げると、笑顔を向けた。
「この時期はギフトで忙しかっただろう?お疲れ様」
そんな優しい言葉とその笑顔で細めた瞳だけで疲れなんか吹き飛んでしまう。
百合香は寒空に出た時のように頬をほんのり赤らめた。