ブルーブラック2

「…そう。明日から、つけて」
「…はい」


くすっと百合香が笑いながら短く答えると、その後の流れはもうお互いにわかっていて―――。


「―――ん…」


そのままベッドになだれ込むと、明日の仕事のことなど忘れて求め合う。


「智さん…」
「ん…?」
「なんか、すごく幸せです」


覆いかぶさる智の髪に指を入れて百合香は穏やかな笑みでそう言った。


「―――まだまだ」


“まだまだ”幸せになる過程。
智はそういう意味で答えると、そっとキスを落とす。


“メリークリスマス”


その言葉を次に掛ける時は、二人の間に天使がいることはもうちょっと後のお話―――…。



< 362 / 388 >

この作品をシェア

pagetop