ブルーブラック2
その声は警備の男性のものではない。

後ろから小走りで追いかけてきたのは美咲だ。


「生田さん··早いね」
「レポートとか、色々と先にやりたいこととかありましてー」


驚きが収まらないうちに2人の前にエレベーターが到着した。


ガコン


智が5階のボタンを押し、そのまま前に立って、美咲は後方へと乗り込んだ。
古いエレベーターの上昇音が今朝はやけにうるさい。


「柳瀬店長と神野さんて仲がいいんですね?」


そんなエレベーターの音をかき消すように美咲は急に口を開いた。


「ああ。元直属上司だったからな」
「私、見たんですよ?」



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