ブルーブラック２
「今日は休みかー…」

「····誰が？」

「誰ってそりゃ···」


心の中で呟いていた筈の言葉が口から出ていた。
そしてそれをキャッチしたのは――


「オマエは何しにきてるんだぁあぁ！！」

「さっ坂谷さん！！」


坂谷と隼人の攻防戦が今日も朝から繰り広げられていた。
そんな二人の背後から一人の人物が近付いていく。


「斉藤くん」

「―――生田さん」


美咲は朝礼にしては早い時間に、それも一人で２階の万年筆カウンターまでやってきた。

それは明らかに目立つ行動だが、美咲は特に気に留める様子もない。それどころかむしろ、どこか注目されたいと思っているような気さえする。


「何か用――――」

「あれ？生田美咲ちゃん。ウチに何か用？」


隼人の言葉を遮って、代弁したのは坂谷だ。
坂谷はタイプとかではなく、単にもう一人の研修生に興味もあって自ら声を掛けていった。
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