ブルーブラック2
「桜井?!」
「江川くん···さすがに気が付きました?」
「さすがにって···いや。でも何?生田さんのこと?」
「そう!あれは···何か嫌なニオイがする··」
そういって綾はその死角からこっそり覗きこむようにレジの美咲を見た。
江川はそんなスパイのような綾を向かいで見て言う。
「でも、まだそうと決まったわけじゃ···」
「甘い!!男は甘いんです!」
「···おれも柳瀬にちょっと一言言っとくよ」
「――一言で済めばいいですけどね」
そんな綾の言い方はいつもにも増して深刻そうで、能天気な江川も少し神妙な面持ちにさせられた。
「いや、とりあえずまだおれ達がどうこういう問題じゃない」
「それは、そうなんですけど···」
「桜井仕事に戻るぞ」
「はい·····くーちゃんに戻るんですね?」
「くーちゃんに“戻る”っておかしいだろ」
最後は結局いつものふざけたやり取りで終わってしまう2人だった。
「江川くん···さすがに気が付きました?」
「さすがにって···いや。でも何?生田さんのこと?」
「そう!あれは···何か嫌なニオイがする··」
そういって綾はその死角からこっそり覗きこむようにレジの美咲を見た。
江川はそんなスパイのような綾を向かいで見て言う。
「でも、まだそうと決まったわけじゃ···」
「甘い!!男は甘いんです!」
「···おれも柳瀬にちょっと一言言っとくよ」
「――一言で済めばいいですけどね」
そんな綾の言い方はいつもにも増して深刻そうで、能天気な江川も少し神妙な面持ちにさせられた。
「いや、とりあえずまだおれ達がどうこういう問題じゃない」
「それは、そうなんですけど···」
「桜井仕事に戻るぞ」
「はい·····くーちゃんに戻るんですね?」
「くーちゃんに“戻る”っておかしいだろ」
最後は結局いつものふざけたやり取りで終わってしまう2人だった。