ブルーブラック2
6.欲望と不安の眼差し
*
(ちょろい♪あとは事務所に行って――···)
美咲が江川の視線を感じることもせずに階段を軽快に上がっていくと、2階の百合香の姿が目に留まった。
百合香はどうやら万年筆の在庫チェックをしながら注文書を記入しているようだ。
真剣な百合香の横から一人の人物が声を掛けてきた。
その人物を認識した瞬間に花が咲いたように清楚で明るい笑顔をそちらに向ける。
「―――店長」
美咲は小さく声を漏らした。
百合香の横に立っていたのは紛れもなく、これから会いに行こうとした店長·柳瀬だ。
なぜ2階にいるのかはわからないが、さっきまで1階に来ていたし、特に不自然なことではないということは理解している。
けれど、あの2人の雰囲気はなんだというのだろうか。
「絶対、私に夢中にさせてやるんだから」
(ちょろい♪あとは事務所に行って――···)
美咲が江川の視線を感じることもせずに階段を軽快に上がっていくと、2階の百合香の姿が目に留まった。
百合香はどうやら万年筆の在庫チェックをしながら注文書を記入しているようだ。
真剣な百合香の横から一人の人物が声を掛けてきた。
その人物を認識した瞬間に花が咲いたように清楚で明るい笑顔をそちらに向ける。
「―――店長」
美咲は小さく声を漏らした。
百合香の横に立っていたのは紛れもなく、これから会いに行こうとした店長·柳瀬だ。
なぜ2階にいるのかはわからないが、さっきまで1階に来ていたし、特に不自然なことではないということは理解している。
けれど、あの2人の雰囲気はなんだというのだろうか。
「絶対、私に夢中にさせてやるんだから」