―MilkyWay―

2



やっぱり、こいつ可愛くねぇ…


彼女と別れた理由聞くから少しは気にしてると思ったのに。



『別にいーよ。俺中学入ってからモテモテだし♪彼女なんてすぐ出来るもんね♪青春満喫しなよねぇ♪南深もさぁ!』



とにかくイライラする。

コイツは俺を不機嫌にさせる天才だ。


何としても南深に俺がモテるって教えてやる。


お前はいつも文句しか言わないけど、世間は違うんだ。


そうなんだ!!


中学になって急に背が伸び出した俺は、サッカー部に入って青春満喫♪


面白いくらいに女の子たちにキャーキャー言われていた。


もちろん、嫌な気なんてない。


むしろラッキー♪


「彼女」って響きに浮かれて、告られた子と付き合ってみた。


興味本意でヤリたい事をやらせてもらって、ちょっぴり大人になった俺。



はい♪ごちそうさま♪


別に誰でもいいんだ。


南深にする話のネタになればそれでいい。



なんで南深の反応が気になるかなんて、いつもガタガタ言うコイツに思い知らせてやりたいだけだ。




『勝手にすれば…呆れる…』



なのに…何だよ?


そのセリフは、何だよ?


おいっ!!



だから俺は毎日毎日そんな反応の南深に段々ムカ付いてきたんだ。



昔は何でも俺の事「凄い♪」って言ってただろ?


言えよ?!


俺のこの人気振りに対してっ!!


何でお前は世間一般の反応をしないんだ!!


コイツが少しでも俺の事を気にしてくれたらそれでいい。


南深はいつからか、ほとんど笑わなくなった。


お前が笑うのは、最早このプリンにだけじゃねぇか?

このやろう!!

俺はなぁ、少しでもあの頃の顔にさせたくていつも冗談言ってんだ!!


気付いてんのか?!!
この鈍感女!!


なのに今や俺の可愛いおふざけに対して嫌な顔しかしない


あの頃のお前は可愛かったんだ。

俺がやるちょっとしたバカな事で、大笑いだっただろ?


俺はな、そんな顔がまた見たいだけなんだよ?


わかれよっバカ南深!!


< 15 / 17 >

この作品をシェア

pagetop