甘美
甘美
甘く、甘く。


そして、時に冷たく。



彼はそんな声の持ち主。



『なあ、サホ』

「なあに?」

『…俺の事好きだろ?』

「………好き」



電話越し。
少しの沈黙と、少しの甘さを漂わせた彼の声。




それが彼。




好きなのか、問うのではなく。

好きだろ?と決めつける声。


だけど、それは不安の裏返し。




それが彼。


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