指先から、ぞわり。【密フェチSS】
本編
その瞬間。
喉が鳴り、指先がそれを求めて疼いてくるのが、紀子には判った。

休み明けの月曜日。
いつもの時刻に出社してきた藤野の髪型は、見事なまでに様変わりしていた。
側頭部から後頭部にかけて、指に挟むのが難しいほどの長さに刈り込まれ、頭頂部や前頭部も、辛うじて指に挟めるくらいの長さしかなかった。
そんな藤野の短い髪を、紀子はうっとりとした視線で眺めていた。

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