指先から、ぞわり。【密フェチSS】
「短い髪に触るのが好きなんだって?」
北田から聞いたよと続いたその声に、紀子は我に返って藤野の髪から手を離した。かつて、不倫関係にあった男の名だった。
藤野はねっとりとした視線で絡め取るように紀子を仰ぎ見て、唇の端をにぃっと持ち上げた。
「そんなにいいのか?」
藤野は紀子の右手をとって、指先を耳の裏の短い髪で撫でるように嬲る。
指先からのじんとした甘い疼きに、紀子は息を詰めるように耐えた。
「また、明日。な?」
コンビニで買い物を済ませた一陣が戻ってくる気配に、藤野は紀子の手を離すと、何食わぬ顔で愛妻弁当を食べ始める。紀子はそんな藤野に背を向けて更衣室に逃げ込んだ。
北田から聞いたよと続いたその声に、紀子は我に返って藤野の髪から手を離した。かつて、不倫関係にあった男の名だった。
藤野はねっとりとした視線で絡め取るように紀子を仰ぎ見て、唇の端をにぃっと持ち上げた。
「そんなにいいのか?」
藤野は紀子の右手をとって、指先を耳の裏の短い髪で撫でるように嬲る。
指先からのじんとした甘い疼きに、紀子は息を詰めるように耐えた。
「また、明日。な?」
コンビニで買い物を済ませた一陣が戻ってくる気配に、藤野は紀子の手を離すと、何食わぬ顔で愛妻弁当を食べ始める。紀子はそんな藤野に背を向けて更衣室に逃げ込んだ。