裁き屋始末録
 
「で…
今の君に、こんなことを聞くのは酷だが…
裏口入学の話は当然、嘘だったんだろ?」

そよ子は小さく頷いた。

(最初から有馬が目当てか…)


「有馬、
君のしようとしたことは確かに良くない。
でも今や、君自身が被害者だ。
充分反省しただろ?
これからは自分の力で夢を掴みなさい。

人を頼らず、自分の夢は努力して勝ち取るものだ。」

「うん…あ、はい…
先生…
最近、ネットで噂になってるサバキヤって知ってる?」


「………さぁ…」

「私、恋と夢と…
大事な物をみんな無くしちゃったけど、涙だけは無くならないみたい…
私の涙、サバキヤは買ってくれないかな…?」


そよ子と別れた後、瀬尾はメールを送信した。


死神たち、
御覧よ。
とっくに
だれもいなくなった。


…送信完了しました。

「さて、[仕事だ]…」

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