裁き屋始末録
裁きと外道と断末と
裁き屋のアジトである、閻魔堂の地下室。
元締の声が響く。
「今回の業務は、瀬尾さんから説明して頂きます。
瀬尾さん、お頼み申します」
瀬尾は頷いて立ち上がっり、いきさつを仲間に説明した。
「それで…今回の業務、嘆きのスジは俺の塾生だ。
相手は大学生
[柿本ナガオ]、
[山辺タカユキ]、
[遊佐キゾウ]だ。
嘆き料は………0!」
「!!?」
裁き屋達は一斉に瀬尾を見た。
開口一番に村雨は、
「瀬尾さんよぉ、タダの業務なんて誰も受けねぇぜ」
「無理を承知で頼んでいる!
それに今回、嘆き料は無いから消す必要は無い。
…消してやりたいがな!
だが裁き屋の掟で、それはできない。
だから…」
宿尾が手をヒラヒラさせて、
「分かったよ、瀬尾さん。
いつも冷静なアンタが熱くなってんだ。
それに…」
一枚のタロットカードを皆に見せた。
[吊られた男]…
「裁き屋ってのは、外道を裁いてナンボだぜ?」
それを聞き、秋野も同調した。
「ボランティア活動も、たまには悪くないねぇ…
でもこの業務、大学に潜り込んでやるのか?」
瀬尾はフッと笑って答えた。
「シナリオは出来ている…」