裁き屋始末録
若い彼らの働きぶりを、遠くから見守る二人の男…
村雨と瀬尾だ。
「村雨…
最初、裁き屋は俺とお前の二人だけだった。
今じゃ奴らも頼れる仲間になったな…」
「いやぁ、まだまだ。
奴らは若い。
まだ裁き屋としての覚悟や技量が足りねぇ。
それより瀬尾。
オメェの裁きのシナリオ、久々に拝ませてもらうぜ」
「あぁ、今回は見てな」
そして夕方…
「そろそろか…」
瀬尾は行動を開始した。
柿本、山辺、遊佐の三人を、それぞれ瀬尾、秋野、宿尾がマークしていたのだ。
山辺と遊佐は、一緒にキャンパスをブラブラしていた。
秋野と宿尾も2人で追跡する。
「何か楽しいことねぇかな〜。
女絡みでさ」
「柿本が連れて来た女、なかなか良かったよなぁ。
また呼ばせようぜ」
雑談しながら校舎裏に向かう外道ら。
「トイレ行くの面倒臭ぇな」
そこでおもむろに、立ち小便を始めた。
物陰の秋野はチタン製のパチンコ玉を、スリング(玉を飛ばす武器)にセット。
宿尾はタロットカードを懐から取り出し、一枚引いた。
「塔のカード、か…」