裁き屋始末録
塔のカードの意味…
[旅の中止、
トラブルの発生]
「[男]という人生の旅、中止させてやるか…」
ヒュン!
バチィン!
カードとパチンコ玉が外道に向かって飛び、命中した。
一つは切り落とされ、もう一つは破裂した!
「ぎゃああっ!
お、俺のがぁっ!!」
「痛ぇぇっ!
痛ぇよぉぉっ!!」
山辺と遊佐は転がりながら、狂ったように悶絶した。
柿本は一人、タバコをふかしながら喫煙所でボーっとしていた。
「火、貸してくれないかな?」
ふいに背後から声を掛けたのは、瀬尾だ。
「あぁ、いいっすよ。
お兄さん、大学の関係者?」
「いや、この大学は僕の教え子の志望校でね。
学園祭の様子を伝えようと思って見に来たんだ。
彼女、来られなくなったから」
瀬尾は、タバコに火を着けながら答えた。
「生徒想いな先生だねぇ…
今時珍しい。
あ、先生のアレか?
教え子と先生の付き合いってのも、無い話じゃないからね」
「まさか。
僕は受け取っただけだよ。
その子の嘆きの涙をね!」