裁き屋始末録
言うが早いか瀬尾は柿本のタバコを取り上げ、自分の持っていたタバコとで目潰しのように柿本の目に押し当てた!
「ぎゃああああっ!!」
突然の出来事に腰を抜かし、這うように逃げ出そうとする柿本。
「た、たすけ…」
「無駄だよ。
ほとんどの学生は睡眠薬入りスィーツを食べて、熟睡中だ」
瀬尾はベルトに隠された、金属製の刃を抜いた。
薄い日本刀だ!
「外道…断末!!」
スッ!
刃は無情に、柿本の[男の部分]を貫く!
「ッ!!……」
柿本は痛みに失神し、その場に倒れ伏せた。
「命は取らないでおいてやる。
[掟]だからな…」
瀬尾は刀に付いた血をピッと振り払うと、立ち去った。
…それから何日か経った日。
「先生!」
瀬尾に駆け寄る有馬。
「私、地元の大学を受けることにしたよ。
家族と離れたくないしね。
先生、色々ありがとう。
………大好きよ!」
有馬は顔を赤らめて走り去る。
しばらく呆気にとられ、立ち尽くしていた瀬尾だったが、フッと笑って呟いた。
「夢は自分の力で掴む…か。
本当は俺達[裁き屋]が、人に言えたセリフじゃ無いよな…」