裁き屋始末録
出張業務、ふたり旅

裁き屋道中膝栗毛

 
第3閃!


「…今回の業務は、来週開かれる全国洋菓子職人選手権に潜入、審査員として参加する[角戸田(かくとだ)シラジ]を消すことです。
嘆き料は400万。

なお今回の業務、私は正岡さんを指名します」



「…で、何でアンタが私のサポートなのよ?」

朱乃はムスッとしながら頬杖をついて、窓の外を流れ行く景色を見た。

「仕方ないじゃん。
他の皆は表の仕事があるんだからさ」

朱乃の前に座る男はシャカシャカとカードを切りながら答え、中から一枚引いた。


「お、戦車…
勝利を意味するカードだよ。
幸先良いじゃん」

戦車のカードをヒラヒラと朱乃に見せる男…

タロット占い師・宿尾優だ。


「俺だってホントは仕事あったんだけどね…
可愛い朱乃ちゃんのためにって、仕事休んで来たのに…
つれないなぁ」

「私だって、アンタと組まされるなんて思ってなかったわよ!
あ〜も〜最悪…
パートナーは香奈ちゃんか、村雨さんか瀬尾さんが良かったな…」


宿尾は苦笑いした。

「おいおい、俺と秋野の立場は?」

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