裁き屋始末録
裁き屋
第1閃!
「…メールを受信しました。
さあ、
バラの園へ!
きみの笑顔を
のせて
かなしみを忘れて
行こう!」
「…仕事、か。」
男はメールの文面をじっと見つめ、タバコに火を点けた。
男の名は村雨昇
(むらさめのぼる)。
職業:プロ雀士。
同じ頃、同じメールを受け取った者が何人か居た。
住江夢次
(すみえゆめじ)
職業:引越し業者
見史屋香奈
(みしやかな)
職業:バイオリニスト
秋野嵐
(あきのあらし)
職業(?):パチプロ
宿尾優
(やどおゆう)
職業:タロット占い師
正岡朱乃
(まさおかしゅの)
職業:パティシエ
瀬尾崇
(せおたかし)
職業:塾講師
…彼ら男女は住所も職業もバラバラだが、一つだけ共通点がある。
そう、彼らは[裁き屋]。
先程のメールは、彼らの元締からの通達だ。
一見、ただの詩が書かれているように見えるのは、他者に見られた時の為のカモフラージュ。
先頭の文字を縦に読むと、召集の通知であることが分かる。
[裁きの会]
裁き屋に、仕事の依頼があった時に開かれる会合だ。