裁き屋始末録
しかし、今回の相手は少しばかり[デキる]ようだ…
秋野が隠れた場所に、また貼り紙があった。
[ここに隠れたら、足元に気をつけな]
「う?!」
恐る恐る、足元に目をやる…
「!…危ねぇ、小型地雷だ」
戦場で無いことを考慮したのか、地雷は殺傷力の小さなモノだ。
しかし、それでも足を大怪我させるだけの威力は持っていそうだ。
秋野は地雷を手早く分解した。
(誰かが踏んだら大変だ…)
今度は地雷の中にメモが!
「何て周到な…
几帳面な奴だな。
相手はA型か?」
メモを読む。
[分解したのは正しい判断だ。
スクーターの下にメモがある]
「何だと?」
今出て行って、スクーターの下のメモを取るのは至難の技だ。
何故ならメモの主が、このチャンスを伺っているかも知れないからだ。
「仕方が無ぇ…」
秋野は手頃な小石を拾い、スリングにセットした。
パチィィン!
小石はメモをスクーターの下から弾き出し、更に駐輪場の柱に当たってメモを再度弾く!
メモは秋野の手の中へ。
第二の秋野の強み…
弾の弾道予測と、直感的な反射角度の計算力。
いわゆる
[跳弾]を操ることができる。
強運、直感、計算力…
秋野はスナイパーとパチプロ、両方の技能に長けているのだ。