裁き屋始末録
ガッシャアアアアアン!!
「な、何だ!?」
君ヶ田兄弟は、割れた2枚のガラス窓から別々に顔を出した…
その瞬間!
ビュルルルルルル!!
兄ナツムの首を上からガムテープが捕らえ、
ズバシッ!!
弟ガクモの首を、下から黒いミトンが捕らえた!
住江はガムテープを手繰り寄せてナツムの首を締め上げ、朱乃は窓枠にガクモの頭を押し付けるように首に圧をかける。
そして…
「外道!」
ビュイ!
「断末!」
ゴキッ!
住江と朱乃は、同時に君ヶ田兄弟にトドメを刺した。
「綿野さん…
アンタの嘆き、晴らしたぜ」
しかし…
住江の心は晴れなかった。
コイツらを裁いたところで、犠牲になった者が帰って来る訳では無い。
なら裁き屋とは、いったい何なのだろう?
そういった疑問自体を、持ってはいけないのかも知れないが…