裁き屋始末録
 
「失礼。
小倉さん、ですね?」


一人夜道を行く男性の後ろから、不意に何者かが声を掛ける。


「…貴方は?」

小倉と呼ばれた男性は、振り返らずに聞き返した。

「闇狩りの者です。
残念ながら、月例会へは行けませんよ。

裁き屋の元締、小倉…
定家(さだいえ)さん」


チャ…


金属製の何かを取り出す音…
恐らく銃だろう。

「悪いがこれは、我々の[業務]なんでね。
さようなら…

多分、小倉さんは
天国には行けないよ」


ピキュン!


ドサ…



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