裁き屋始末録
「さて、お前らは?
どうするんだ?
コイツらのように骸(むくろ)になるか、それとも…」
冷たい眼光を放ちながら威圧する瀬尾。
それに対し、間合いをとりながら様子を伺う秋野と宿尾。
(宿尾、どうする?
コイツらはマジだぜ…)
(ああ。
だけど仲間を殺られて逃げ出すのは、俺のプライドが…)
宿尾はタロットカードの束を取り出し、一枚引く。
(許さないんでね!)
引いたカードを見る。
「!!?」
しばらく神妙な顔付きでカードを見つめた後、それを胸ポケットにしまい、秋野に耳打ちしようと近付いた。
「秋野」
何か言おうとする宿尾の様子に、秋野もスリングの構えを解いた。
その瞬間、
ブシャ!
宿尾が隠し持っていたカードが、秋野の喉に突き刺さっていた…
「や…ど…ぉ…」
最後の力を振り絞り、秋野は弾をスリングにセット。
パチィィィン!
チタンの弾は、宿尾の胸に当たった!
「これで……ぃ…」
ドサ、ドサ…
折り重なるように、秋野と宿尾は床に伏せたままピクリとも動かなくなった…