けいさつのお兄さん。〔BL【短編】〕
……あの頃の俺達は、何も判っちゃい無かった。
何が正しくて何が正しく無いのか。

だから…。



俺達が出会ったのは、高校2年生の時丁度クラスが一緒になった時だ。

あの頃の俺は、何も知らなかった。

あいつが何者で何をしているのか…知らなかった。

あいつ、白河隆司、そいつはふぁっと現れ直ぐに居なくなる。例えるなら―風。フワフワしてて透き通るような双眸、大袈裟かも知れないが、これが奴の第1印象だ。

俺達が仲良くなるのに時間などかからなかった。

会って分かったこと、奴が…思っていたよりもイケメンだったことだ。
そして…奴が好きになって行くことに……。



「なぁ隆司…」

「なんだ?」

隆司は、廊下から踵を返すように後ろへ戻った。その一瞬俺は、今言おうそして……迷惑にならない様に俺は、奴と友達を止めることを。


「隆…司俺っ」

深く息を吸い込むと瞳を閉じる。
ゆっくりと瞳を開き、奴に…隆司に伝える。

「俺、隆司が…好きだっ!」

頬は、紅潮し眼はあちこち動き回る。恥ずかしい。告白は、こんなに勇気が要る言の葉だったことを改めて感じる。

「僕も、千尋が好きだよ。」

単純な言葉に俺は、友達としてと思い「違っ…」と反論すると俺は、近付いて来た隆司に優しいキスをされた。
これが俺と奴の始まり。
そして危険な遊びの始まりだった。
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