けいさつのお兄さん。〔BL【短編】〕
「わーお兄さんの車綺麗」

「新品なんだから汚すなよ」

「うん」

俺は、うんうんとうなずいた。

やっぱりお兄さんは、優しい。
だって俺の我が儘聞いてくれるから。



「わー遊園地なんて何年ぶりだろー」

遊園地には、30分近くで着いた。

流石平日の埼玉は、空いてる。

「何年ってそんなに来て無かったのか。」

「うん…10年ぶりかな。」

俺は、お兄さんに顔が見えない様に俯いた。

「何でまたそんなに…まあいっか入るぞ。」

「うん」

笑顔でお兄さんに言うとお兄さんの腕に引っ付いた。




「なあ…少し休まねえ?」

早1時間、お兄さんはへばっていた。
理由は、俺がずっと絶叫系に乗せていたからだ。
「じゃあ俺ジュース買って来るよ。」

「俺には、ブラックのコーヒーな。」

「了解しました。」

俺は、売店に向かって行った。

「えっと…メロンのジュースとコーヒーブラックで下さい。」

『かしこまりました少々お待ち下さい。』


『300円になります。』
俺は、男の子らしくない淡いピンク色の財布を取り出しぴったり300円出した。上機嫌で帰ろうとした時だ。
俺に男に俺が声をかけられたのは。

「ねぇお嬢ちゃん俺と遊ぼうぜ。」

「あの…俺、男」

ため息をつきながら出した俺の声は、ジェットコースターの音で書き消された。

「な?何処でも連れてってやるぜ。」

「だからー」

もう一度言おうとした瞬間お兄さんが来てくれ、俺の前に出て来た。

「俺の彼女に手出さないでもらえれば幸いだ。」
「ぁ?誰だてめぇ」

お兄さんがズボンの中から出したのは、警察手帳だった。

「っ…!なんだ彼氏もちだったのかちぇっ」

「ねぇお兄さん警察手帳って職務勤務時間じゃないと使っちゃ駄目なんじゃ…」

「乱用はしてねーし見せるくらいはいーんじゃね?」

お兄さんは、ひょうひょうと言って退けた。

「そういうものなのかな?」

「そういうもの~あ、俺のコーヒー」

「あ、はい。それから」
俺は、お兄さんを見つめてカップを握った。

「ありがとうお兄さん」



やっぱり俺は、お兄さんが大好きだ。
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