ただ、好き。
「あれ??もしかしてこの前教室に来た、鳴海蒼君??」
知らない女が話しかけてきた。
だれだこいつ??
初めて会ったというのに慣れ慣れしく話しかけてくる。
「あっ!今真君待ってるんでしょう??」
「・・・。」
「やっぱり~!!」
なんだこの女。
俺は一言もしゃべってないのに、次々と言葉を発する。
「私が一緒に待っててあげよっか??」
女はニコッと笑った。
「いや、頼んでないし。」
「大丈夫だよ!!あ、私は佐倉莉子。ぜひぜひ莉子ちゃんか、莉子で呼んでねっ!あ、好きな食べ物は・・・」
いや、こっちが大丈夫じゃないんで。
しかも俺がしゃべらないことを肯定と受け取ったのか、次々とマシンガントークをしてくる通称バカ女。