その唇でキスをして。
その唇でキスをして。
同じ大学の優馬先輩。
ただの憧れだったけど、文化祭の実行委員になったのをきっかけに絡むことが多くなった。
優しくて、男女平等に接してくれる先輩はみんなの人気者。
先輩の笑ってできるえくぼや、目のしわまでもみれることができるのは私が本当に運がいいから。
今まで恋愛体験したことない私の、精一杯の片思い。
「なあ、亜紀ちゃん?そのマジックとって」
「は、はい!」
あと一週間後にせまった、文化祭。
汗だくになりながらも、みんなをまとめて準備を頑張る先輩の姿に私は1人ドキドキしていた。
荷物を持ち上げたときのたくましい筋肉、汗を拭う腕、半ズボンから出たふくらはぎ、最近ちょっと伸びてきたヒゲ…
挙げたらきりがないくらい、先輩には魅力的なところがたくさんある。
でも…1番好きなのは…
「亜紀ちゃん?」
名前を読んでくれたときの、唇。
私ってば、やっぱりおかしいのかな?
あのちょっと薄くて、ほんのりピンクの柔らかそうな唇で、名前を呼ばれると、背筋がゾクゾクとした感覚になる。
あ、また…
「…は、はい?」
「疲れた?さっきからぼーっとしてるけど…」
「だ、大丈夫です!」
ほら、その顔も反則。男の人を可愛いと思ってしまう私もバカだけど、こんなのズルいよ。
「ほんとか?じゃこれは俺がもらっちゃおっと~」
そう言って先輩はアイスを二個私に見せた。
ニヤリと見せた子どもっぽい笑顔もキュンとする。
「え、え~!ズルいです!」
「しょうがねぇなあ~」
先輩はしぶしぶ私にアイスをくれた。本当は二個も食べたりしないってわかってるけど、こんな風に絡むことができるだけで本当に幸せ。
「あはははっ!亜紀ちゃんアイス食うの下手じゃね?」
ポタポタと垂れるアイスと格闘していると、先輩が呆れたように笑っていた。
「だ、だって溶けるんだもん!」
手にもくっつくし、ベタベタ…
焦ってペロペロなめるけどこの日差しの下では、そんなので間に合わない。
はあ、先輩の前で最悪…
「…でも」
「はい?」
「その、唇最高だな」
…先輩…なんて?
「…せん」
聞く前に、私の唇は塞がれていた。
冷たくて、溶けたアイスじゃない
熱い熱い、先輩の唇で。
ああ…アイスなんかよりもこの熱で私が溶けてしまいそう…
「…甘いな」
先輩はペロリと自分の唇を舐めて、そのあと私の唇も舐めた。
うん…甘い。
アイスなんかよりも、このキスは…
私を溶かす、媚薬だ。
ただの憧れだったけど、文化祭の実行委員になったのをきっかけに絡むことが多くなった。
優しくて、男女平等に接してくれる先輩はみんなの人気者。
先輩の笑ってできるえくぼや、目のしわまでもみれることができるのは私が本当に運がいいから。
今まで恋愛体験したことない私の、精一杯の片思い。
「なあ、亜紀ちゃん?そのマジックとって」
「は、はい!」
あと一週間後にせまった、文化祭。
汗だくになりながらも、みんなをまとめて準備を頑張る先輩の姿に私は1人ドキドキしていた。
荷物を持ち上げたときのたくましい筋肉、汗を拭う腕、半ズボンから出たふくらはぎ、最近ちょっと伸びてきたヒゲ…
挙げたらきりがないくらい、先輩には魅力的なところがたくさんある。
でも…1番好きなのは…
「亜紀ちゃん?」
名前を読んでくれたときの、唇。
私ってば、やっぱりおかしいのかな?
あのちょっと薄くて、ほんのりピンクの柔らかそうな唇で、名前を呼ばれると、背筋がゾクゾクとした感覚になる。
あ、また…
「…は、はい?」
「疲れた?さっきからぼーっとしてるけど…」
「だ、大丈夫です!」
ほら、その顔も反則。男の人を可愛いと思ってしまう私もバカだけど、こんなのズルいよ。
「ほんとか?じゃこれは俺がもらっちゃおっと~」
そう言って先輩はアイスを二個私に見せた。
ニヤリと見せた子どもっぽい笑顔もキュンとする。
「え、え~!ズルいです!」
「しょうがねぇなあ~」
先輩はしぶしぶ私にアイスをくれた。本当は二個も食べたりしないってわかってるけど、こんな風に絡むことができるだけで本当に幸せ。
「あはははっ!亜紀ちゃんアイス食うの下手じゃね?」
ポタポタと垂れるアイスと格闘していると、先輩が呆れたように笑っていた。
「だ、だって溶けるんだもん!」
手にもくっつくし、ベタベタ…
焦ってペロペロなめるけどこの日差しの下では、そんなので間に合わない。
はあ、先輩の前で最悪…
「…でも」
「はい?」
「その、唇最高だな」
…先輩…なんて?
「…せん」
聞く前に、私の唇は塞がれていた。
冷たくて、溶けたアイスじゃない
熱い熱い、先輩の唇で。
ああ…アイスなんかよりもこの熱で私が溶けてしまいそう…
「…甘いな」
先輩はペロリと自分の唇を舐めて、そのあと私の唇も舐めた。
うん…甘い。
アイスなんかよりも、このキスは…
私を溶かす、媚薬だ。