私こそ光る☆君~番外編②~
彼女は分かっていない。
僕が仕事中に前髪を上げる意味を。
見てくれだとか、そんな表面的なものを気にしているわけじゃない。
オンとオフの切り替え。
謂わばそれは、僕という人間の生き方そのもの。
腹黒いだとか、表裏があるだとか人は言うけれど、紳士的な僕も、意地悪な僕も僕であることにかわりない。
全てを見せていないだけ。
仕事で前髪を下ろせということは、僕の生き方そのものを否定するに等しい。
どうでもいい人間にはどうでも良く優しく接する。
親しみを覚えた人間には最上級のもてなしを。
そして、邪魔・嫌悪の対象だと認識した人物は……。
パシャッ。
「はい、オッケーです!」
今のカットは今日一番の“笑顔”だったと思う。
ふふっ、地獄の底まで追い落とさなくちゃね?
おしまい☆