私こそ光る☆君~番外編②~
響と光と奏と
慌しかったライブツアーも終わり、季節は夏から秋に移ろうとしている頃。
「そういえば今週末の『レインな時間』、ゲストさんが来るんだってー……☆」
事務所でのダンスレッスンを受けて、家に送ってもらう車の中で、クッションを胸に抱きしめた由依が思い出したように呟いた。
『か、可愛い!!』
そのポーズもさることながら、仕事疲れでちょっと眠そうなところがグッジョブ!
「由依く~ん? もう少しで着くから我慢してね~?」
「う~ん……はぁい☆」
運転している志乃さんに指摘され、ゴシゴシと瞼を擦る仕草も可愛い。
ちなみにこの送迎順。
芸能界は縦社会だから、グループ内の送迎順も芸歴に従って……なんてことはなく、単純に距離や地理的な利便性によって決められている。
「……ゲスト? うちの番組にそんなもん招いて大丈夫なのか?」
話が大分逸れたところで、もとの話題に引き戻しつつ遥が危惧の声を洩らした。
うん、まあね。
基本、好き勝手やってる番組だからね?
それぞれ方向性の違う自由人が3名いるので、ゲストに対する粗相とか粗相とか粗相が心配なのです。
いや、うん。
心配なのはそこしかありません。