私こそ光る☆君~番外編②~


数日後。


『さて、今週も始まりました『レインな時間』!!司会は僕、紅月光です。なんと今夜は素敵なゲストをお迎えしていま……ところでゲストって誰だっけ?』


冠番組の収録中。

マニュアル化しつつあった文言に、今回のシチュエーションに合わせた言葉を添えて口にしていたところで大変なことに気付いた。


“素敵なゲスト”とか自分で言っておきながら、今日のゲストが誰だか分からない!?



「おまっ……知らなかったのかよ」

「ゲストさんはゲストさんだよ~?☆」

「ふふっ、本当に君って子は……」

「……驚いた」



全く意図せずしてボケてしまったところを全員からつっこまれる。


由依はよく分かってないっぽいけど、だからって私が確認を怠ったことが許される問題じゃない。

由依は本当は知ってても知らないフリをすることが要求されるキャラ。

じゃあ私は、光はどんなキャラなんだろう?



「お前、やる気あんのかよ?」


そう問う遥の眉間には皺が寄っていて、眼光は鋭い。

去りゆくある夏、紫水の特製ドリンク“地獄の一滴”に苦しめられていた人と同一人物だとはとても思えない。


少し、怖かった。

それからすごく……。


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