私こそ光る☆君~番外編②~
『は、初めまして!ご挨拶が遅くなってしまい、すみません!!//』


「初めまして。そんなに固くならなくてもいいよ?」


挨拶を返されて、顔を上げると笑顔と共に意味ありげな視線にぶつかった。



ホントはお互いバリバリ面識があるのに、私も響お兄ちゃんも家族のことについては公表していないから、ここではお互い初対面のふりをしているんだけど。


やっぱりさすが響お兄ちゃんだなあと思う。

アイドルとしてデビューしていながら、若手の演技派俳優と言われているだけあって、言動に不自然さが全く無い。


さっきの言葉だって、萎縮している後輩に優しい言葉をかける心の広い先輩そのもの。


それに比べて私は何なの、あのぎこちなさは!!

しかも大失態をやらかしたことを数年ぶりに再会した従兄に知られてしまった。

ああ、恥ずかしい……。



「緑川さんもお久しぶりです」


「そうだね、千宮寺くんとは半年振りくらいになるかな?☆」


響お兄ちゃんの方が年上なのに敬語なのは、芸能人としては由依の方が先輩だから。

子役から芸能界入りした由依は、この中で一番の古株なのだ。


由依自身が基本、誰に対してもフレンドリーだから忘れてしまいがちだけれど。



『ではでは、千宮寺さんを交えて企画に行って参りましょう。本日の企画は、兵庫県にお住まいのつばきさんからのリクエスト。“皆でお絵描き!一番下手なのは誰?”です』


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