私こそ光る☆君~番外編②~



収録後。



「暫く見ない間に大きくなったなー。お前がアイドルデビューしたことはテレビや雑誌で見かけて知ってたけど」


『止むに止まれぬ事情があって……』


「また美鈴さんの悪い癖か?」



宣言通り与えられた役割をきっちりとこなした私は、実に4年ぶりに会った響お兄ちゃんとの話に花を咲かせていた。


我が家の自由人たちを知っていて、なおかつ身内というだけあって話が早い。

むしろ身内にしか分からない話だ。



本当に、お母さんには困ったものだよね。

いつもとんでもないことを思いつきだけでしでかしちゃうんだから。

そのとんでもない思いつきを遂行できるだけの権力と人脈を持っているから性質(たち)が悪い。



……あれ?

こんな人、他にも身近にいなかったっけ?



「ねえ?☆」


誰だったかなあと首を捻っていると、由依に袖を引っ張られた。



『どうしたの?』


生地を手に握り込んでひたと見つめてくる姿は可愛いけど、やめて。

服が伸びます。


「ヒカちゃん、なんでそんなに千宮寺くんと仲良いの?☆」


素朴な疑問をぶつけてくる由依。


なんでだろう?

服を掴んでいただけの由依の手はいつの間にやら私の腕に巻きつけられ、ガッチリとホールドされている。


逃さない、ということなのかな?

心なしか、響お兄ちゃんを見る由依の眼差しに警戒の色が見て取れる。


気付けば、由依の後ろにもわらわらとレインガーデンのメンバーが集まって来ていて、それぞれ鋭い目をこちらに向けていた。


特に遥!

みんなして何なの?


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