私こそ光る☆君~番外編②~
『そういえばこのカレンダーってみんなも載ってるの?』

「もっちろん!! 見てみて、僕のページ!!☆」


オ○マの日の神秘から無理やり意識を引き剥がした 私に、由依が嬉々とした様子で壁から外したカレン ダーのページを捲って胸を張る。



6月25日。

由依の誕生日は住宅デー。


写真にはお菓子の家と童話の中の子供のような衣装を着た由依が撮されている。

お菓子の家を囲む柵には、飴細工でできたアサガオ の花が巻き付けられていて、よりファンタジックな雰囲気を醸し出している。

アサガオは6月25日の誕生花で、花言葉は“はかない 恋”か。


「すっごいでしょ?☆」


目をキラキラさせて得意気な由依。


『住宅とお菓子の家をかけたってことかな? 随分セットが豪華だね』

「うん!!☆」


スウィーツパラダイス。

まさに由依の趣味全開といったところだ。


背景なんて、後で合成する場合も多いのに。


「一度でいいから、お菓子の家に入るのが夢だったんだ~☆」

『夢が叶って良かったね』

「うん♪☆」



夏だとチョコレートのドアがとけそうだとか、撮影が終わった後のお菓子の家はどうなったのかとか 色々気になる点はあるけど、心の底から喜んで満面の笑みを浮かべている由依に、こっちまで嬉しくなった。



「見てるだけで吐きそうだ……」


……まあ、甘いもの嫌いな遥には酷な環境というか、地獄だよね。


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