私こそ光る☆君~番外編②~
変装デート大作戦
『ちょっ、ちょっと由梨亜……』
真っ昼間。
たくさんの人々が行き交う商店街。
私の左腕に自分の腕を絡めて隣を歩く親友・由梨亜を、当惑気味に見つめる。
「いいじゃない、その格好も似合ってるわよ」
『ありがと……って、そうじゃなくてっ……』
そんな私の心情を知ってか、知らずか。
さりげなく私の手を取り、指を絡めてくる由梨亜。
真冬だというのに、汗がすごい。
だって……。
『これやっぱマズいよ、バレるって!!』
自然、あたりをはばかるようにヒソヒソと小声になりながらも、必死に訴える。
これだけ密着していれば、唾を呑み込む音だって聞こえるだろう。
「はいはい。大丈夫、大丈夫。奏……じゃなかった。奏多(かなた)は心配性なんだから~」
真面目に取り合ってはくれない由梨亜。
そんな由梨亜はすこぶる上機嫌だ。
語尾に音符マークが付きそうなくらい。
この状況で笑ってられるなんて、心臓に毛が生えてるとしか思えない。