お嬢様の快楽


そんなこんなで学校に着いちゃうんだよね。

「いってらっしゃいませ。」

「はーい。行ってきまーす。」


車を降りる時のいつもの挨拶を交わす。

「薊。おはよう。」

「あー、たまーっ。」

私よりもちょっぴり身長が高いふわふわの天然パーマの可愛い……

「今日も可愛いねぇ、たまー。」

「お、俺男だよ?」


男の子。いや、男の娘。


「んー、可愛いのは可愛いの。」

「薊に言われてもなあ……」

「え?何?嬉しくないの?」

「違う……誰に言われても複雑だけど。じゃなくてさ。」

「えー、何?」

近づくと少し見上げる形になっちゃうのが悔しいけど、近づく。

「たまきー、あざみーん。」

「ほら、カリン来たよ……」


戸惑い気味のたまが指差す。

「まだ答え聞いてないのに。」

プクーと膨れる。

「なにやって……」

「りんちゃんのバカ。」

「あざみん!?」


「薊……あとで言うからね。」


困り顔たま、可愛い。



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