お嬢様の快楽


まじまじと見る訳でもなく、ただ自然に綾吾へと視線が集まる。

きっとみんなわかりきっていたことなのだろう。

それどころか、誰一人として不信感を抱くことなく当たり前以上の何かで綾吾を見ていた。

俺も別にそれに驚くほどじゃない。

ただ、学校ではあんまり喋っていなかったのに今日の朝に何故か話しかけてきたのだ。

内容はどうってことじゃなかったのだが、あいつの影響はあいつの自覚する以前に多大である。

つまり、周りに与えるものだ。

お陰様で教室では視線を多く浴びてた。

……薊達が教室に入ってくる前まではだが。


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