お嬢様の快楽

まったく、たまきは純粋すぎて薊に影響されそうで冷や冷やする。

……って俺は保護者か。

「るー君は?」

「え?」

「だーかーら、るー君はこういうのどうなの?」

普通に眠かった。

なんて言えるはずもなく。

「慣れはないけど、真面目に参加してれば眠くならないから。」

当たり前のようにそう答えた。

「ふーん?」

下から見上げる薊は見透かすような目を向けた。


こいつならわかるのだろうか。

俺を知ってるこいつなら嘘はバレるのだろうか。


「るー君ってほんと真面目よね。」

さらっと流れたそれに俺は疑問を浮かばせた。

「本当だよーっ眠くてしょうがなかったのに」

「カリンは寝てたんでしょ?」

「たたたたたまきまで!!!」

普通に流れていく会話。

だけど俺は薊の言葉に疑問を抱いたままだった。


その言葉はお前の思っていることなのか?

お前はどこまで俺の嘘がわかるんだ?


俺は……

たった一言でさえ嘘かどうかわからない。


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