お嬢様の快楽

何かを言いかけたるー君の顔つきが険しくなる。

表向きのるー君がこんなに感情的な表情をするなんて珍しい。

「生徒会役員についてだったんだよ~」

「生徒会役員?」

生徒会役員は各学年ごとに決まった人数を選出しなければならない。

人数は決まっているが、男女比に関しては決められていないので定員よりも少ないという事はほぼない。

「なんで?役員に立候補する人なんて去年の人で足りるじゃない。」

中等部の生徒会は1学年から4人、2学年から5人、3学年から6人の計15人の役員がいる。

それに対し、高等部の生徒会は1学年から5人、2学年から7人、3学年から8人の計20人の役員がいるのだ。

生徒会の人数は増えるが、去年より1人分枠が減る。

大抵は中等部での役員が立候補してくる。

だから、何故話し合いを行う必要があるのか疑問だった。

「うん、今までだったらそれで良かったんだけど、変わったんだよ。」

「変わったって?」

「それはね~……」

「学年内の男女比に偏りが無いようにしないといけないらしい。」

口を閉ざしていたるー君が口を開いた。


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