お嬢様の快楽


何も言わずに立ってると要さんが迎えに来てくれたのが目に入った。

そして車が私の前で止まる。

乗ろうとして振り返りるー君を見た。

「るー君、じゃあ。」

「うん。」

クールないつもの表情。

「薊。」

「何?」

「無理すんなよ。」

「しないよ。」


それだけ話すと私は車に乗り込んだ。


「おかえりなさいませ。」

「ただいま。」

いつものように要さんが私を出迎える。

「お疲れですか?」

「そう見える?」

要さんは少し笑ってから答える。

「いいえ。」

私も軽く笑って答える。

「御名当。」

< 60 / 90 >

この作品をシェア

pagetop