お嬢様の快楽


「珍しく分かり合えてないみたいですね。」

「分からないのがこんなにももどかしいなんて知らなかったわ。」

胸の奥にわだかまりができる。

「お互い、心境の変化があったんじゃないですか?」

「心境の変化、ね……」

私だけでなく、るー君にも何か思いがあると。

要さんはミラー越しに私と目を合わせると少し苦笑した。

「暗黙の了解の仲でしたからね。」

「…………」

だから苦しい。

難しい。

どうすればいいんだろう。


< 62 / 90 >

この作品をシェア

pagetop