ほ く ろ 【密フェチ】
絡み合いながらベッドへ倒れ込む。
そして、私のおでこにそっと唇を這わす。
私の唇にかすかに触れる彼の首筋。
彼の左の首筋にあるほくろ。
ほんの少しふくらみを持つそのほくろに触れてしまったら・・・・・・
「あぁん」
もうどうにでもしてと叫ぶ雌になる。
彼と出会ったのは半年前。
会社は違うが同じビルで働いている。
仕事を終えた私は疲れた顔をしてエレベーターに乗り込んだ。
「お疲れ様です」
そう声をかけてきた彼をふと見ると左の首筋にほくろがあった。
少し大きめのそのほくろを見た瞬間、体が熱くなるのを感じた。
彼に抱かれたいと強く思った。
乱れた欲求不満の年増女のように、彼を欲しがる自分に嫌悪感を感じた。
それから、彼と結ばれるまで時間はかからなかった。
彼は誰とでも寝る男。
だから、わかってる。
そこに愛がないってこと。
「お前、濡れすぎ。最高」
そんな言葉を浴びせられて、ただ声を震わせる私。
私達が会うのは毎週金曜日の夜だけ。
彼には彼女がいる。