ほ く ろ 【密フェチ】





絡み合いながらベッドへ倒れ込む。




そして、私のおでこにそっと唇を這わす。




私の唇にかすかに触れる彼の首筋。



彼の左の首筋にあるほくろ。



ほんの少しふくらみを持つそのほくろに触れてしまったら・・・・・・




「あぁん」



もうどうにでもしてと叫ぶ雌になる。







彼と出会ったのは半年前。




会社は違うが同じビルで働いている。




仕事を終えた私は疲れた顔をしてエレベーターに乗り込んだ。





「お疲れ様です」





そう声をかけてきた彼をふと見ると左の首筋にほくろがあった。




少し大きめのそのほくろを見た瞬間、体が熱くなるのを感じた。






彼に抱かれたいと強く思った。




乱れた欲求不満の年増女のように、彼を欲しがる自分に嫌悪感を感じた。







それから、彼と結ばれるまで時間はかからなかった。





彼は誰とでも寝る男。



だから、わかってる。


そこに愛がないってこと。







「お前、濡れすぎ。最高」





そんな言葉を浴びせられて、ただ声を震わせる私。





私達が会うのは毎週金曜日の夜だけ。




彼には彼女がいる。






< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop