だって、好きにナラズニイラレナイ
「…お客さま?」
遠慮がちに声をかける彼の困ったような表情に更に絶句した。
「!?」
ど!
ど!
ドストライク!
思わず、意識を失いそうになって、慌てて自分を奮い立たせた。
い、いけない!
しっかりするのよ!
冷静に、冷静に、……深呼吸──
「あの…お客さま大丈夫ですか?」
再度かけられた言葉に見上げると、怪しい物を見るような
彼の目が映る。
い、いや───!!!
その顔も、ドストライク!なんですけど──!!!!
そんな目で見ないで──!!!!!
怪しい者じゃないの!!!!!
決っして、ないの!!!!!
でも……
いい。
ステキ♡
「あの、お客さま……ぷっ!」
両手で帽子のツバを引っ張り下げながら悶々とする私の耳に、何故か吹き出す彼の声がして
次に聞こえた言葉に、絶句した。
「心の声だだ漏れ…」